温故知新で食べてみた

戦前、主に昭和初期の料理本や婦人誌に掲載されたレシピを、
実際に作って食べて昔の日本をプチ体験。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - |
バナナ 二種

動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
好評公開中!
http://www.youtube.com/watch?v=egN8cdnu75k
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7988039

226

趣の違う2種類のバナナ料理を
ひとつの皿に盛ってみました。

上のバナナ料理は
「カレード バナナ ウヰズ フライド ベーコン
(バナナのカレー焼、ベーコンのバター炒め)」。
先にバターでベーコンを「手早く」炒めたら、
ベーコンを取り出して、
カレー粉をまぶしたバナナを
「心持ち軟かになる迄」炒め、
「温かい中(うち)に」いただきます。

下の料理は
「磯巻バナナ」。
あぶった浅草海苔でバナナを巻いたものです。
現在は浅草海苔は入手困難なため、
普通の焼き海苔を使いました。


で、食べてみた。


まずはカレードバナナ。
これは美味しいです。
香ばしいカレーとバナナの甘味の
相性がばっちりですね。
ベーコンと一緒に食べると
塩加減が加わって
益々美味しくなります。
バターの風味も味に
深みを与えていますね。

次に磯巻バナナ。
バナナに巻きつけた、
ねっとりと伸びた海苔が
ねっとりバナナと相まって、
なんともいえぬ食感です。
海苔の風味はバナナの風味に
負けてしまっていますね。
とにかく味より食感が印象に残る料理です。


と、いうことで


カレード バナナ・・・★★★
磯巻バナナ・・・★★☆

カレード バナナ ウヰズ フライド ベーコン
監修:原畑壽子
料理の友 昭和十一年一月号 
「家庭で出来る美味しい西洋一品料理」
磯巻バナナ
料理の友 昭和五年四月号
「肉食禁止の病人に勧める野菜料理」


ところで。
ここでちょっと余談をば。

『料理の友』は
日本で初めての主婦向けの料理雑誌。
料理のレシピだけではなく、
カロリーの話や旬の食材に関する読み物などが充実している、
大変真摯に食に取り組んでいる雑誌なのですが、
たまにユニークな企画もありまして。

昭和二年七月号には
「文芸家の食卓嗜好品調べ」という読み物が
掲載さてれいます。
筆者は半僧居と記されていますが、
どんな人なのかは、残念ながら、わからず。

内容はお題そのまま、
作家の食べ物好き嫌いが書かれておりまして。
人それぞれ食の嗜好は面白いなあ・・・と思い、
ここでちょっこしご紹介。

谷崎精二氏(谷崎潤一郎の弟)
・酒は毎晩晩酌一合。うまいわけではなく、習慣的の飲酒。
尤も、冬の真夜中、ホツトウヰスキーを自分で拵へて飲むのは格別と言ふ。

正宗白鳥氏
・茶は殆ど飲まず。常に白湯。氏は毎朝起きしなに水道の水ー田舎では
白湯を一杯飲む。通じがつくといふ健康のため。

菊池寛氏
・氏の好物は肉類。―尤も、何でもうまければすきといふ人。
但、支那料理や洋食より日本料理をとる人。
・特に好むのは鮨。

島崎藤村氏
・冬のきびしく寒い夜なぞ、氏の家では、豆腐を薄く切つて笊の中に並べ、
水をかけて庭の桔梗に吊るして置く。朝になると飴色に凍つたその豆腐に
熱湯をそそぐ。すると黄ばんだ色の凍豆腐ができる。それにネギを入れて、
つゆを拵へる。これが島崎氏の好物の一つである。氏はその凍豆腐を
霜豆腐と言つてみたい、と言つているが、兎に角、東京に住んで、
かういふことをするのは珍しいではないか。
・毎日根気をつめてものを書いたあとの疲れきつた時、島崎氏は、熱い牛乳に
生姜を入れ飲む。―これはアメリカから帰つてきた或る婦人に教はつたのだ
さうである。そして又、矢張り疲れた時、牛乳に少量のレモンの汁を搾つて
入れたものを飲む。それから関西の方で出来る桑酒も好みの一つ。
・新鮮な果物も氏は好むが、四五月頃の萎びた林檎の味もいいと言つてゐる。

藤森成吉氏(小説家・劇作家)
・氏は又、漉餡をみると不愉快になつてー不愉快どころか、漉餡の餅菓子、
漉餡の汁粉なぞをみると、ゾーツと寒気がすると言ふ。そのかはり
つぶし餡のものー例へば汁粉の田舎とか小倉とかいふものは好きだ。
・氏には只一つ不思議なことがある。それは三度三度の食後、
茶碗に醤油を五勺ほど入れて、湯で薄めて飲むことである。
どういふわけか知らない。


 

| comments(6) | trackbacks(0) |
無花果(いちじく)のサンミテ
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
好評公開中!

http://www.youtube.com/watch?v=egN8cdnu75k
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7988039



110
監修:アラスカ菓子部料理長 市川義雄先生
婦人倶楽部 昭和八年九月号附録 『誰にも簡単に出来る家庭西洋料理全集』より


これは一分(約3ミリ)にスライスして砂糖とみりんを振りかけてしばらく置いたいちじくを、
二分(約6ミリ)にスライスしてバターを塗った後にトーストしたパンに挟み、
六〜七分(約18〜21ミリ)の大きさに切った、
(・・・と、言いながら、実際はもちょっと大きめにカットしちゃった)
言うなればサンドウィッチ。

で、食べてみた。

砂糖とみりんを振りかけて置いただけのいちじくは
あっさりとした甘さでグー。
トーストの香ばしさにバターの風味、
そして僅かに香るみりんが効いていて美味しいです。

コロコロとした一口サイズというのもナイスですね。
食べていて飽きのこない大きさのように思います。
仕事の合間にささっと作れてちょちょっとつまめる、
手軽な一品なんじゃないかしら。

「極(ご)く高尚で、婦人子供向(むき)には絶好の」サンミテ、
みなさんも是非お試しください。

それにしてもサンミテってどういう意味だろ?


と、いうことで


★★★



ところで。
婦人向きというところで強引につなげますが、
世のご婦人は・・・
・・・まぁご婦人に限らず
世の女性はいつの時代も飽くなき美の探究者である、という記事のご紹介。

こちらは『主婦之友』昭和四年十一月号の広告記事です。
これはなにかと申しますと・・・




(見よう見真似画・nawomayo)


新発売されたという「美顔吸入器」。


「お肌の皺で人知れず悩む中年の方々の最も必要なものでございます」
・・・・・・だそうです。

気になるお値段は特価十五円(薬品付)。
上製品だと三十五円(薬品付)。
参考までに当時の女子事務員の平均月収が三十円だそうです。
ちなみに特価品と上製品の違いが書かれてないんですよね、ナニが違うんだろ。

いやしかし。
昭和のこの時代からこのようなものがあったのですね〜。




 
| comments(4) | trackbacks(0) |
梨の胡麻和へ

024
監修:園田隼二氏
アルス 大正十四年五月発行
      「果物の用ひ方と料理法」より

・・・梨っちゅうか、こんにゃくみたいですね。

前回に続き、旬の梨を使った料理です。
湯で煮た梨を砂糖、味醂を加えた黒胡麻を和えたものです。

で、食べてみた。

・・・じゃりじゃりです。
梨の歯ざわりと胡麻の歯ざわりが相まって、じゃりじゃりです。
しかも水で煮ているせいか、多少の甘みは感じますが
じゃりじゃりするだけで風味がありません。
ある意味、歯ざわりを楽しむ料理でしょう。

しかしこれにせよ前回の梅にせよ、どうしてこれらを梨とあわせようとしたのかしら。
この本には他の果物の料理も載っているのですが、マーマレードやプリン、ゼリーなど
わりと普通の料理が多い中、なぜが梨はこのように不思議な方向に凝った料理となってます。
園田先生は梨に特別の思い入れがあったのでしょうか。

と、いうことで

★☆☆
 
| comments(6) | trackbacks(0) |
梨の梅和へ

023
監修:園田隼二氏
アルス 大正十四年五月発行
      「果物の用ひ方と料理法」より

今回は旬の梨を使った料理です。
砂糖で煮付けた梨を同じく砂糖、味醂で煮付けた梅肉で和えたもの。
とてもつややかできれいなあめ色に仕上がりました。

で、食べてみた。

ん〜、梅ソースがかなり甘いです。
けどまぁ悪くはないかな?味醂の風味もいいし・・・
・・・と、最初の2口までは思っていたのですが。

何かの味に似てるな〜と考えながら食べてるうちに
だんだん舌の奥が気持ち悪くなってきました。
梅にも梨にも相当の砂糖を使っているので甘いんです、とにかく。
梨はソルトビールという糖尿病予防効果のある成分が含まれているそうですが、
これだけ甘いと梨の効能はどこへやら。

ああそうか、思い出したぞ。
この味は「小梅ちゃん」もしくは「梅ミンツ」。
食べたことある方は想像してください。
小梅ちゃんもしくは梅ミンツをどろどろに溶かしてトロリとさせて
甘くてしっとりした、歯ごたえの無い梨にからめて食べる感じを。

食べた後に頭が痛くなったのは初めてでした。

ちなみに「小梅ちゃん」、明治生まれの15歳だそうです。
出身が東京は小石川。
もしかしたらオトナになってこの本を見てたら
この料理を作ったかもしれないですね。
・・・作らないか。

と、いうことで

☆☆☆
 
| comments(2) | trackbacks(0) |
PAGE TOP   

『温故知新で食べてみた』が本になりました


主婦の友社より絶賛発売中!
PROFILE
MEDIA
CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
Search this site.
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
なんとなくかいてみた
「山本真冬」って名前で
由無し事だの
ちょっと不思議な昭和初期の
マンガだのを書いてる
ブログ。
山本直味 Twitter
LINKS
RSS/ATOM
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS