温故知新で食べてみた

戦前、主に昭和初期の料理本や婦人誌に掲載されたレシピを、
実際に作って食べて昔の日本をプチ体験。
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豚肉黒ソース煮

動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
好評公開中!
http://www.youtube.com/watch?v=egN8cdnu75k
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7988039

263

監修:樫田千恵子
主婦之友 昭和五年十一月号 「十一月の毎日のお惣菜献立」より

これは塩、胡椒をした角切りの豚をバターで炒め、
先に茹でておいた附け合わせの馬鈴薯、人参と一緒に
キャラメルソース(黒ソース)で煮たもの。
白砂糖をフライパンで炒って作ったキャラメルに
肉、野菜を入れて野菜の茹で汁で伸ばして煮込み、
最後にメリケン粉を溶かしてどろりとしたソースを作ります。
肉と野菜を盛り付けた上からソースをかけて出来上がり。


で、食べてみた。


まずは肉をパクリ。
キャラメルの苦味が肉に合っていて美味しいですね。
肉は噛めば噛むほど旨味が出て、
それが苦味とよく合う感じです。
甘味は少なく、見た目よりあっさりとしていて
少々単調で物足りない味に思えるぐらいですね。

ただ、これが附け合わせの野菜を食べると
丁度いい味加減になります。
ソースの苦みが甘味のある野菜と合うんですよね。
附け合わせの野菜と一緒に食べることで
味がピタリと完成するといったところでしょうか。

豚肉は角切りじゃなくても
「お惣菜には普通に(少し大きめに)切つてよろしいです。」
とレシピにはありましたが、このぐらいのボリュームの方が
ソースとのバランスがいいように思います。

「このソースの中に、御飯を入れて食べると
大変美味しうございます。」と先生は
おっしゃっていますが、これも美味しいかも。

それにしてもキャラメル味の豚肉というのは
当時の人たちにとっては
相当に斬新な料理だったのではないでしょうか。


と、いうことで


★★★
 

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焼豚肉(やきぶた)の緑おろしかけ

動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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181
監修:一戸食物研究所 一戸伊勢子先生
主婦之友 昭和十二年七月号附録 『夏の和洋料理千種の作方』より

これは焼いた豚肉にほうれん草と大根で作ったおろしをかけたもの。
肉は味醂、醤油にしばらく漬けた後、焼きます。
ほうれん草は茹でて裏漉しした後、味の素、味醂、醤油で味をつけ、
大根おろし酢に混ぜます。
大根おろし酢はおろした大根に、酢、砂糖、味醂、塩を加えて作ります。


で、食べてみた。


これは美味しいですね。
ほうれん草を裏漉しして作った、ややトロミのある緑おろしは
口当たりがやわらかくてまろやか。
ほうれん草のほのかな香りもまろやかさを演出しています。

豚は漬けたタレでさらに照り焼きにします。
これによって味がしっかりつきますので、
緑おろしのさっぱり感がより相乗効果となりますね。
豚は本当なら炭で網焼きするのですが、
うちでは用意できなかったのでフライパンで調理。
これが炭焼きだったらもっと香ばしく焼きあがって、
より互いの味が引き立ったのでは。

ミドリミドリしているおろしがなかなかのインパクトなこの料理、
ほうれん草の裏漉しが少々手間ではありますが、
みなさまのご家庭でも是非お試しになってみてはいかがでしょう。


と、いうことで


★★★

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豚肉(ぶた)と胡瓜の酢の物
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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180
監修:帝國女子専門學校講師 蜂谷麟子先生
主婦之友 昭和十二年七月号附録 『夏の和洋料理千種の作方』より

これは塩を振って軟らかくした後に三杯酢につけた胡瓜に、
茹でた豚とおろししょうがを乗せたもの。


で、食べてみた。


あっさりさっぱりとして美味しいです。
豚は味付けがないのですが、
胡瓜にしっかり三杯酢の味が染みているので、
一緒に食べれば充分OK。
また、しょうがが豚そのものの美味しさを引き出していて、
食欲もそそります。
とても夏向きの一品です。

ところでこの料理、
「胡瓜の中に豚肉(ぶた)を混ぜてしまふと、
不味(まず)くなりますから、御注意ください」
とレシピにありました。

豚と胡瓜を混ぜるのが美味しくないのではなくて、
胡瓜と混ぜることによって
豚を長時間酢に漬けるようなことになると、
豚本来の美味しさがくなくなってしまいますよ、という
意味なんじゃないかな、と思います。

ですからこの料理、
さささっと器に盛り付けたら、
胡瓜の上に豚としょうがを乗せて
さささっと召し上がっちゃっうのがいいでしょう。


と、いうことで


★★★
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豚肉(ぶた)のパン粉蒸
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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155
監修:内野佳子先生
主婦之友 昭和十三年一月号附録 『冬の和洋料理千種の作方』より

これは拍子に切った豚肉をねぎ、しょうが、醤油に漬け込み、
パン粉をまぶして竹の葉を敷いて蒸したもの。


で、食べてみた。


味は美味しいです。
蒸した肉は軟らかく、
ごはんによく合うおかずとなっていると思います。

けど、パン粉が水分を含んでぶっくりとした口当たりで、
しかも口に入れた途端にパン粉がずるっと取れてしまい、
そのパン粉が口の中でちょっとべちょべちょ。
モグモグしながら、なぜかずるずるべちょべちょな、
水分をたっぷり含んだ雪道を連想してしまいました。

当時、このようなぶっくりパン粉と
蒸した肉の食感を味わう料理はあまりなかったと思いますので、
先生が書いてらっしゃるように
「ちよつと目先の鑾(かわ)つた」料理だとは思いますが、
パン粉は蒸すより揚げたり焼いたりした方が
私は好きかな。


と、いうことで


★★☆
 
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豚挽肉と馬鈴薯(じゃがいも)の丸め焼
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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144
監修:森本喜代子先生
主婦之友 昭和十三年一月号附録 『冬の和洋料理千種の作方』より

これは茹でて潰したじゃがいもに豚挽肉を混ぜ、
塩、胡椒したものを焼くというもの。
まわりよりも少し焦げ目の強い点々が挽肉です。
レシピに分量が記載されていませんでしたが、
なんとなく目検討でじゃがいも2個に挽肉30グラムほど使いました。


で、食べてみた。


おいしいです。
じゃがいものおいしさがダイレクトにわかります。
焼きたての、サクサクとした歯ざわりがとってもグー。
肉の味は少々隠れ気味なので、
心持ち、肉の分量を多くしてもいいかも。

また、焼き方としては「好みの形をつけるか
フライ鍋の形なりに伸し」て焼くとあるのですが、
挽肉は生のものを入れますので、
薄い小判型にして焼いたほうが
火の通りがよく、肉もしっかり焼けるでしょう。

ただ、ボロボロボロボロと崩れやすいので、
特にひっくり返すときは細心の注意を必要とします。
上記の分量で小判型5枚作れましたが、
作業の途中で崩れてしまって、
結局形が残ったのがこの1枚でした。
多少バターや牛乳などのつなぎを用いたほうが
焼きやすくなるとは思いますが、
この料理の特徴はおそろしくシンプルな作り方と、
素材の味そのものを楽しめるところにあると思うので、
つなぎを使わずにしっかり固めて丁寧に焼くのがいいんじゃないかな。

一見コロッケと思いきや、じゃがいもを焼いただけというこの料理、
コロッケに慣れ親しんだ当時の方々からしても
なかなか目先の変わった料理だったかもしれませんね。


と、いうことで


★★☆


 
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豚肉のおろし和へ
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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142
監修:東京割烹女學校
味の素本舗 大正十四年九月発行 『四季の料理』より

これは乾煎りして塩を振りかけた豚肉と、ざっと茹でたこんにゃく、長ネギを
醤油、塩、味の素、砂糖で味付けした大根おろしとあえたもの。
本来なら仕上げに青海苔を散らしますが、
今回はウチにあった海苔を代用。


で、食べてみた。


さっぱりとして美味しいです。
豚肉、こんにゃく、ネギのそれぞれの食感が楽しめますね。
ネギの風味と海苔の香りがさっぱり感をより引き立てます。
この料理のキモはなんといっても豚肉を乾煎りすることでしょう。
豚の味がしっかりとわかるし、なんといってもヘルシーですよね。

さっぱりとした料理なので夏向きのお惣菜のように思います。
レシピどおり青海苔を使えば、磯の香りが
ますます夏らしさを醸し出すんじゃないかな。

この『四季の料理』はB6よりひとまわり小さなサイズの冊子で、
他にも味の素を使った和食や洋食などが紹介されています。
監修した東京割烹女學校は、
こここでもたびたび登場する秋穂敬子先生がいらっしゃった学校ですね。


と、いうことで


★★★
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山葵(わさび)和へ
動画「温故知新で食べてみた ♯1がんもどきのカレー煮」
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116
監修:獣医学博士 田中宏
主婦之友 昭和四年十一月号 「経済的で美味しい豚肉一式の家庭料理
                     (一)和食向の珍しい豚肉(ぶた)料理七種」より

これはしょうが、ネギ、塩で茹でた豚の赤身を、
白味噌と砂糖、味醂、山葵を合わせたもので和えたもの。

で、食べてみた。

ずばり、美味しいです。
味はみなさんのご想像どおりかな。
みその中にぴりりとわさび。和風でうまいです。
お弁当のおかずにもよさそうです。

ところで、今回この料理を選んだ理由。
ひとつには料理自体に魅力を感じたというより、
料理を考案された田中宏先生の肩書きが
「獣医学博士」となっていたから。

獣医学の博士がなぜにブタの料理?と思ったのですが、
これにはわけが。

宮崎昭氏の『食卓を変えた肉食』によると、
明治に入って推奨された肉食ですが、
当時人気だったのは圧倒的に牛肉だったようで、
ブタはいまひとつ敬遠されていたそうです。
その頃の豚は一般的に不潔な環境で飼育されていたため、
きたない動物と思われていたからだそうな。

で、そのブタ肉消費を推進すべく立ち上がったのが
当時東京帝大農学部のブタの解剖学の権威であった田中先生。
大正八年に『田中式豚肉料理法』を書き、
自らブタ料理の普及に努めたわけですね。

先生の尽力もあってのことと思いますが、
大正期中にポークカツがビーフカツを追い越す人気となったとか。
昭和に入るとブタ料理はかなり普及していたのではないかと思われますが、
まだまだより多くの主婦にいろんなブタ料理を作ってもらおうと
婦人誌にも寄稿していたのでしょうね。


そして理由がもうひとつ。
この記事の横にひっそりと書かれていたこのイラスト。

(見よう見真似画・nawomayo)

・・・微妙にリアル。
見たときは妙に切ない気分になりました。
これからキミは食べられる運命にあるのに、
ネクタイきりりと、おめかししちゃって・・・。


と、いうことで


★★★
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豚肉小判焼き、こし薯かけ

050
料理の友 昭和六年六月号「いざ!!といふ時役立つ和洋一品料理」より

これは豚肉・玉子・メリケン粉・塩・を合わせ混ぜ胡麻油で焼いたものに
裏漉ししたじゃがいもを乗せたもの。
要はハンバーグじゃがいも添えですね。

で、食べてみた。

胡麻油風味のハンバーグは仕上げに醤油と味醂をからめますのでみごとに和洋折衷です。
ただハンバーグに胡椒を加えて、もうちょっと味を締めたかったですね。
いもはふわふわとして見た目にきれいですね。
グリンピースを添えるあたりもモダンな感じはしますが、
残念なことに裏漉ししたいもをただ乗せているだけなので、食感がパッサパサ。
ハンバーグと合わせて食べるにもボロボロと零れ落ち、なかなか難しかったです。

また、いもに味気がないので(しかもパサパサなので)、
せっかくの和洋折衷の味が少々ボケてしまったように思います。
マッシュポテトとまではいかなくても、少しとろみや味をつけるなどすれば
ハンバーグと合わせて食べても美味しかったのではないでしょうか。

「いざ!!といふ時役立つ料理」というタイトルや見た目から想像するに、
急なお客様がいらした時などにささっとできる料理として考案されたのかな?と
思いましたが、それでもいもはもうひと手間あった方がベターかな。

と、いうことで

★★☆
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豚肉の芋クリーム和へ

034
監修:東京料理学校講師 高橋寅松先生
主婦之友 昭和六年十一月号 
       「一人前五十銭で出来る簡単で美味しい季節のお客様料理」より

これは大和芋を裏漉しして牛乳で伸ばし塩で味付けしたものを、
茹でた玉葱・人参・豚肉・銀杏と和えたもの。
本来なら銀杏も一緒に和えるのですが、入れ忘れちゃったのでトッピングしてみました。

で、食べてみた。

普通に美味しくて、面白い食感ですね。

裏漉しした山芋は舌触りがざらざら。
けれど摩り下ろしたものよりとろみがあります。
きっと先生は山芋でホワイトソースを作りたかったのでしょう、
それに近いクリームが出来上がりました。
具材に人参や玉葱があるからでしょうか、なんとなくシチューっぽい感じもします。

味はかなりあっさり、そして少しではありますが牛乳臭さを感じます。
胡椒で味を引き締めるなどした方がいいでしょう。
色も全体的に白っぽいのでグリンピースなどで鮮やかさを演出してみてはいかがでしょう。
けれどあっさり風味がお好みの方はこのまま召し上がってもよろしいかと思います。

それとこの料理、体調のすぐれない時などにも食べやすいおかずになると思います。
その時は豚を小さく切り分けた方がより食べやすいですね。

と、いうことで

★★★
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糸蒟蒻と豚のトマト煮(だき)

021
監修:村井政善(敬称略)
石塚松雲堂 大正十一年一月発行
        「新しき研究 和洋料理の仕方」より

これは糸蒟蒻と豚をバターで炒め、トマトソースと出汁に砂糖、醤油を足して煮込んだもの。
このレシピでは既製品のトマトソースをを使用してますが、
ここでは現代のレシピで作った自家製ソースを使用しました。

で、食べてみた。

こ〜れは西洋すきやきですね。
出汁と砂糖と醤油がそう思わせるのかしら。
和風調味料とトマトソースの相性がちょっと不安でしたが、バターで調和されている感じです。
でもこのままだとちょっとクドいので、白ワインなど足すのをオススメ。

これに長ネギが入っても美味しいですね。
玉葱だと甘みも増してお子様向けに良さそう。
そういえばこれに似た料理を学校給食で食べたような、食べてないような。

ちなみにこの本、大正十一年一月に初版が発行されてますが、
十三年六月まで6版も版を重ねています。
今でいうベストセラー?

と、いうことで

★★☆

 
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『温故知新で食べてみた』が本になりました


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